【#1269】シュレディンガーの猫

当カテゴリ「コラム・ザ・ベスト」では、2000年7月から約1400回に渡って「旧わ通」上で毎日連載された「デイリーコラム」の中で、特に反響の大きかったものを選りすぐって再掲載します。
久しぶりの掲載となった第5回の今回は2004年1月4日に掲載された第1269話「シュレディンガーの猫」をお送りします。とにかく前置きが長い話。いつもアホなことばかり言っているW氏が時折見せるインテリな側面をお楽しみください。
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「シュレディンガーの猫」
という話をご存じだろうか?
この話は「量子力学」において
非常に有名なパラドクスである。
この話は「思考実験」つまり
「頭の中で考えられた架空の実験」・・・
一つの密閉できる箱があり、その中には
・放射性物質の入った容器
・放射性物質の崩壊を検出するガイガーカウンター
・↑と連動するハンマー
・青酸カリの入った瓶
・一匹の生きた猫
が入っている。
もし、放射性物質が崩壊すればガイガーカウンターが
それを検出してハンマーを動かし、青酸カリの瓶を
破壊して猫を死に至らしめる事になる。
仮にこの放射性物質が1時間経って
崩壊する確率を50%とする。
しかし、あくまでも確率なので、それがいつ
崩壊するかはわからない。
つまり、箱を閉めてしまうと、その外側からは
中の猫は生きているのか死んでいるのかの判断が
確率的にしかできないのだ。
猫は「生きているけど、死んでいる」状態であり、
なおかつ「死んでいないけど、生きていない」と言う
非常に奇妙な状態になる。
非常に奇妙な状態だよね?
どんな物体も、普段は雲のようにモヤモヤした
カオスの状態にあり、誰かが見る(観測をする)と
しゅばっ!とものすごい速さで形ができる。
量子力学は原子や素粒子の世界を
考察するための物理学。
ミクロの世界ではすべての物は
確率でしか そのものの状態を表すことができない。
なぜなら「見る」(観測する)事によって
「観測対象の状態が変わってしまう」からである。
ご存じの通り、「見る」と言うことは
光の反射を網膜でキャッチすること・・・
つまり対象に「光の粒子」が当たって
跳ね返ってきて初めて見える。
日常生活では、光の粒子が当たって
物が動く(影響を受ける)と言うことは無い。
しかし、ミクロの世界では対象となる
物質も非常に小さいため、光の粒子が
当たっただけでも、位置がずれてしまう。
ミクロの世界では、位置を確かめようと
すると相手の物の「運動」が変えられて
確認することができず、逆に運動を
確かめようとすると今度は「位置」が
わからなくなってしまうのです。
つまり「見る」と「見ない」では物の状態が違う
・・・と言う考え方なのである。
簡単に言うと・・・
「現実というのは、貴方が見た瞬間決定するのだ」
ということである。
「何事にも無限の可能性があり、
それはハコを開けた時に確定する」
という考え方も出来る。
・・・ものすごく難しくて長い前置きになったが、
いま、わしの手元にも「シュレディンガーの猫」がある。
「未開封の宝くじの袋」という名の
シュレディンガーの猫が・・・
わしがこの袋を開けたとき・・・
わしの未来が確定するのだ・・・
・・・わしのシュレディンガーの猫は
既に死んでいた。

コメント

  1. わいわい より:

    猫は極限状態のなかでエイトセンシズに目覚め
    時空跳躍し脱出に成功。閉じ込めた人類に対して
    復讐を開始するのであった・・・ブハハハハハ

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